HOME > 施工例 > 機能的で機動的 "キドウテキでキノウテキ"


中央にある廊下を挟み、両脇に部屋を配置する。
シンプルであり機動的な家は日本住宅の黄金律。
単にシンプルだけでなく色々な工夫が詰まっている事を忘れてはいけないです。
リビングには2重梁を配置し地震に強くしてあり、
収納を多く配置する事により使える家を目指しました。
何よりもご家族そして施主様に喜ばれる造りだ。
施主様曰く、他の大工さんにも丈夫でしっかりとした造りだと褒められたそうです。
こういう、言葉がなにより嬉しいものです。
ありがうございます。


                       有限社 建設
                       USHIO.ENSETU。

二重梁で逃がすという考え


 二重梁とは瓦などの重い屋根を使った時にかかる荷重を逃がす役割を持っているのだが、最近はあまり使われなくなった。理由は軽い屋根が増えてきたからだ。しかし重厚な建物のフォルムを出すためには瓦屋根は欠かせない。もちろん地震などの影響を受けやすい瓦屋根だが、日本家屋の味を出すにはこのタイプの屋根しか方法がない。いわゆるハウスメーカーの家々はもちろん重い屋根は敬遠する。梁を二重にこしらえるか、または柱などを大きくする必要があるからだ。結局はコストの問題。なのでハウスメーカーは構造が単純なのを好む。ハウスメーカーでは設計屋さんが多い。僕ら設計屋には二重梁という発想自体がないのだ。この潮建設は職人が作った会社。二重梁という美しくも木を活かす発想に感服する。

収納にこだわる必要性

どうも日本の家は物が多すぎる。これは仕方ない事かもしれない。なぜなら日本ほど季節の移ろいが激しい国はない。なので服も春夏秋冬そろえなければならないし、寝具だって変えねばならない。しかし、日本の建物は収納がちょっとだけしかない。外国の収納の大きさと同じぐらいしか無いのだから完全な計画ミスとも言える。しかしこの家は収納を考えて作られている。もちろん各部屋には収納がある。あるだけではなく、和室の収納には小物入れさえ設けてある。また廊下にも収納がある。この廊下の収納は奥行きが800㎜あり、物を納める奥行きとしてはちょうど良く作られている。ちゃんと使える収納を配置する。これが簡単そうであって難しい。

シンプルという事は使い勝手が良いという事

 シンプルな配置という物は使い勝手が非常に良い。動線という観念が設計の世界にはあるのだが、通路によってプライベートな空間とパブリックな空間を分けやすい。古来日本には『表』と『裏』の部屋があったが、その境界に廊下を配置する事によりお客様などが来た時に不愉快になりにくいのだ。またリフォームなども簡単にできる。単に壁を壊して部屋をつなげる事により、大きな部屋を作る事も出来るし、また部屋を改装し別の空間として使う事もできる。あまり知られていないが地震にも強い。なぜならシンプルな形というのは地震の揺れを制御しやすい。どこにガタが来るのか想像が付くのだ。そして何よりもコストを抑える事が出来る。まあ、そういうものなのです。